平成27年1月に「難病の患者に対する医療等に関する法律(難病法)」(平成26年法律 第50号)が施行され、「難病の患者に対する医療等の総合的な推進を図るための基本的な方針」(平成27年9月15日厚生労働省告示第 375 号)に基づき、地域の実情に応じ新たな難病の医療提供体制が構築されています。難病医療提供体制の構築のため、各都道府県で「難病診療連携拠点病院、難病診療分野別拠点病院、難病医療協力病院」が指定されています。熊本県では、熊本大学病院が唯一の「難病診療連携拠点病院」です。
熊本大学病院は、未診断疾患イニシアチブ(Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases : IRUD)における九州に2つある IRUD 拠点病院の1つです。IRUD は未診断疾患を体系的 に診断するためのAMED のプロジェクトで、全エクソン解析などを行い未診断疾患の診断や新しい疾患の発見に大きく貢献しています。現在、依頼件数は限定されており、更なる啓発および各医療機関との連携を行い広く活用頂くことで、未診断疾患の確定診断を推進する必要があります。
また、神経難病に従事する医療従事者の育成を目的として、熊本県の支援を受け「神経難病診療体制強化支援事業」を実施しています。特に脳神経内科専門医が不在である県内の地域で神経難病に従事する医療従事者の育成を行う必要があります。
熊本大学病院「神経難病センター」を基盤に、難病診療連携拠点病院として県内外の難病診療ネットワークの中心的役割を果たし、神経難病診療の向上、情報の共有、研究の活性化を行います。