診療科・部門

高度医療開発センター

スタッフと専門領域

辻田 賢一
センター長
循環器内科全般

【兼任/循環器内科 教授、副病院長、心臓血管センター長、総合臨床研究部研究展開センター長】


高度医療開発センターの特徴

遺伝子医療、移植医療及び病態が十分に解明されていない種々の難病の予防・診断・治療法などの開発を推進するプロジェクトを支援しています。


業務領域

  1. 高度かつ先端的な医療の開発を推進する体制を整備すること。
  2. 高度かつ先端的な医療の開発の推進に係る外部資金等の獲得に関すること。
  3. 研究成果等活動実績の評価、集積及び公表等に関すること。
  4. 講演会、講習会及びセミナーの開催等に関すること。
  5. 診断・治療上の技術相談・指導及び共同研究の実施支援に関すること。

不整脈先端医療寄附講座

近年、頻脈性不整脈の病態解明において、三次元での心腔内興奮伝播解析が可能となってきました。不整脈先端医療講座は心臓電気生理学、循環器病態学を中心とした基盤的学問の上に臨床不整脈分野の先端的研究を行い、難治性不整脈治療の先導的役割を担う目的で設置されました。具体的な研究テーマは、1)これまでその機序が明らかにされていない難解な頻脈性不整脈の機序解明に関する研究、2)新しい心腔内電位解析装置であるNon-contact mapping system(EnSite 3000)を用いた頻脈性不整脈の適切な治療法の確立、3)致死性心室性不整脈の機序解明と、心機能低下を伴った症例でのCardiac resynchronization therapy with defibrillator(CRTD)の有用性についての検討などであります。

診療実績はこちらをご覧ください(アニュアルレポートより抜粋)

心血管治療先端医療寄附講座

高齢化社会、メタボリック症候群の急増する社会の到来に伴い、心血管・循環器疾患の患者は飛躍的に増加しており、循環器診療において、難治性の不整脈、心不全及び冠動脈疾患の治療の充実と新治療法の研究開発が急務となっています。当講座はそのような背景のもと独創的な発想力、探究心を育みながら、基盤的研究及び臨床診療の面から、治療が困難である難治性の冠動脈疾患及び心不全分野の研究、教育及び治療を遂行する目的で設立されました。現在は、九州圏内関連病院における冠動脈形成術の全例登録研究(KICS)、県下発症急性心筋梗塞の全例調査(KACE)、下肢動脈血管内治療登録研究(Kumamoto EVT registry)、熊本地震発生後の急性脳・心血管疾患発生数と予後に関する研究(KEEP project)を継続して行っています。

診療実績はこちらをご覧ください(アニュアルレポートより抜粋)

新生児学寄附講座

我が国の新生児医療は、この20年の間、世界トップの水準を保っています。熊本大学の新生児集中治療の特徴は、早産児だけでなく、複雑な母体合併症や難病のお子様を対象として最先端の医療を提供しています。具体的には、新生児の低酸素性脳症の低体温療法、難病のお子様の治療、新生児への血液ろ過透析など高度医療を提供しています。また、熊本地震や新型コロナウイルス感染症などの広域災害に際して、その危機対応の中心的役割を担ってきました。本寄附講座はわが国の国立大学の医学研究と医学教育において先進的で重要な役割を担うと考えられます。さらに上記活動を通して、この領域における優秀な人材の育成、およびこの地域における新生児医療の充実に貢献します。

診療実績はこちらをご覧ください(アニュアルレポートより抜粋)

脳血管障害先端医療寄附講座

本講座の目的は、「脳血管障害学」を中心とした基盤的学問の上に、難治性脳血管障害や遺伝性脳小血管病の研究、教育及び治療の先導的役割を担うことです。独創的な発想力と探究心をもって、最先端の脳血管障害医療の研究開発に励み、新しい技術を一般化して診療へ応用していくことを目指しています。

診療実績はこちらをご覧ください(アニュアルレポートより抜粋)

消化器癌先端治療開発学寄附講座

消化器癌に対する外科手術と化学療法や分子標的治療の融合による高度な集学的治療の実践、ならびに新たな治療戦略の開発に向けた基礎研究のため本講座を開設しました。消化器癌に対する集学的治療の確立のための専門医育成、横断的な組織作り、collaborationによる先端的医療への挑戦、関連病院との施設連携等を、消化器外科学教室と協力して行います。さらに現状では治療困難な進行消化器癌に対する新しい治療戦略の開発に向け、質の高い基礎研究に基づいたトランスレーショナルリサーチを実施します。

診療実績はこちらをご覧ください(アニュアルレポートより抜粋)

産科麻酔学寄附講座

欧米において産科麻酔学はサブスペシャリティとして確立していますが、我が国では未だ立ち遅れています。一方、本邦でも無痛分娩に対する関心が高まり、安全な無痛分娩を提供し、周産期医療の安全性向上のためには産科麻酔学の確立と産科麻酔科医の養成が急務となってきています。そのため本講座では先進的な研究の推進、診療体制作り、産科麻酔科医養成のための研修プログラムの設立し、産科麻酔に従事する優秀な人材の育成を目的としています。また当講座が拠点となり熊本県下産科施設への情報共有、産科救急時対応システムの構築を推進、「無痛分娩緊急対応」や「母体救命コース」といった講習会を開催し、熊本県の周産期医療の安全性、質の向上に貢献したいと考えます。

安全性の高い無痛分娩

産科麻酔寄附講座を中心に麻酔科専門医が無痛分娩を管理し、安全性を確保しています。 熊本大学病院では、医学的な理由による無痛分娩を中心に、状況に応じて希望による無痛分娩を提供しております。無痛分娩をご希望の方は、その旨を産婦人科担当医師または助産師、看護師にお伝えください。水曜日の産科麻酔外来で詳しく丁寧に無痛分娩についてご説明いたします。お気軽にご相談ください。

分娩取扱実績(2023年4月1日~2024年3月31日)

全分娩取扱 帝王切開 無痛経腟分娩 非無痛経腟分娩
311件 174件 15件 122件


無痛分娩実施状況 JALA(PDF 395KB)

診療実績はこちらをご覧ください(アニュアルレポートより抜粋)

新興感染症対策寄附講座

細菌やウイルスの脅威は太古の昔から常に存在していましたが、この数十年の期間を振り返ってみても、 エイズウイルス、 腸管出血性大腸菌O157、新型インフルエンザウイルス、 SARS-CoV等による新興感染症は人類にとって大きな試練でした。グローバル化の進展、人口爆発による都市の拡大により 、特定の地域に認められた風土病的な感染症、あるいは人畜共通感染症がパンデミックを引き起こす可能性は高く、これら新興感染症の流行は個人の健康状態を損ねるだけでなく、社会的、経済的な損失を生じさせることから、バランスの取れた適切な対策を進める事が必須です。本講座は、新興感染症における課題に適切に対処するために、新興感染症発生時に医学的・社会的な課題に実効的に対処できる専門医の育成、またパンデミックの際に地域の最前線となる感染症指定医療機関を中心とした医療対策に関連する研究を行うことを目的として設置され、対処の困難な新興感染症に対する効率的かつ有効な医療の進展に貢献することを目指しています。

新興感染症対策寄附講座のページはこちらです

診療実績はこちらをご覧ください(アニュアルレポートより抜粋)

心臓リハビリテーション寄附講座

心大血管疾患は本邦における主たる死因であり、当院も多くのスタッフで救命に当たっています。しかしながら、これら心大血管疾患は同時に罹患者の生活の質QOLを大きく毀損するため、救命後のリハビリテーションが極めて重要です。当寄付講座は本県に広く存在するリハビリ施設の司令塔として、心大血管疾患患者さんのQOL向上に努めます。心リハのエキスパートを専任教官に据え、循環器内科、心臓血管外科、リハビリテーション部でタッグを組んで、この目標に取り組んで参ります。

診療実績はこちらをご覧ください(アニュアルレポートより抜粋)

脳卒中治療学寄附講座

脳卒中の急性期治療・発症予防・医療システム・リハビリテーションなど、幅広い研究と教育を推進します。その目的は、高度先進的な診療の提供とともに、新たなエビデンスの構築や若手医師の育成、さらに熊本県を中心とした地域医療体制の活性化にあります。特に、rt-PAや血栓回収療法の効果向上を目指した多施設RCT研究(STABLED研究、SKIP EXTEND研究)を通じて、熊本大学を核とした国際水準の脳卒中診療モデルを構築し、熊本における脳卒中医療の均てん化と全国への発信を図ります。脳神経内科学講座との連携のもと、卒前・卒後教育への参画を通じて質の高い医療人材を輩出し、今後は国内外の共同研究や先端的治療の実践を推進することで、世界へ貢献しうる拠点を形成します。


診療科・部門