光学医療診療部は内視鏡検査や治療を担当する部門で、中央診療棟2階に位置し外来診療棟と直結しております。消化器内科、消化器外科、呼吸器内科、呼吸器外科、画像診断科、移植外科・小児外科により共同で運営されております。当部門では、最新の内視鏡診断・治療システムであるハイビジョン内視鏡、拡大内視鏡、超音波内視鏡、小腸内視鏡、カプセル内視鏡などの最先端の内視鏡機器と情報を速やかに共有できる内視鏡ファイリングシステム、レポートシステムなどを導入しております。また富士フイルム社のAI技術を用いた、大腸ポリープにおける内視鏡診断支援機能である「CAD EYE」を2022年より導入しました。さらに消化器疾患や呼吸器疾患の診断のための検査内視鏡に加えて、治療内視鏡を積極的に行っております。
スタッフは充実しており、日本消化器内視鏡学会指導医9名、専門医27名、日本呼吸器内視鏡学会指導医2名、専門医6名を含む、熟練した医師スタッフと看護スタッフが業務を担当しております。
2023年度の実績では、上部内視鏡5,355件、下部内視鏡2,326件、気管支鏡332件、胆膵内視鏡検査数530件です。初期の食道がん、胃がん、大腸がんについても内視鏡治療を積極的に行っており、2023年度の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の実績は、食道101件、胃96件、大腸57件と多くの低侵襲治療を行いました。また他診療科との合同手術も積極的に行い、耳鼻科との内視鏡的咽喉頭手術(ELPS)は48件、消化器外科との腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)は23件の実績で、近年は十二指腸腫瘍に対するLECS が増加しています。小腸領域では炎症性腸疾患、小腸疾患や原因不明の消化管出血の診断・治療にカプセル内視鏡(75件)やダブルバルーン内視鏡検査(46件)を行っております。胆膵領域においてはダブルバルーン内視鏡を用いた胆道ステント留置・ドレナージ術や超音波内視鏡を用いた胆道ドレナージ術(EUSBD)を積極的に行っております。気管支鏡検査は超音波気管支鏡を駆使して、良性疾患、悪性疾患に対する、より正確な診断を心がけています。
当部門では、苦痛の少ない内視鏡検査を心がけると共に、検査中は患者様の全身状態を厳重にチェックし安全を確保しております。さらに内視鏡機器の洗浄や消毒は日本消化器内視鏡学会のガイドラインに準拠しており、検査を介しての細菌感染やウイルス感染は皆無です。
また光学医療診療部の医師や看護師等の医療スタッフは全員、卒後教育などを通して最新の知識と技術を習得し、内視鏡検査・治療を常に高い水準に保つよう努めています。
このように光学医療診療部は、最先端の内視鏡機器と高い技術水準により、皆様に安全で信頼度の高い内視鏡検査・治療を提供しております。
消化器領域の内視鏡的検査・治療、呼吸器領域の内視鏡検査