このたびの地震により、お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。また、厳しい状況の中で、被災地域の医療を支えておられる医療関係者の皆様に深く敬意を表します。
熊本大学病院は、災害拠点病院・特定機能病院として、熊本県および被災地域の医療機関と緊密に連携し、患者様の受け入れや医療従事者の派遣など、地域の状況に応じた支援を継続してまいります。
特に、熱中症やエコノミークラス症候群をはじめとする災害関連疾患に加え、基礎疾患や合併症を有し、高度・専門的な治療を必要とする患者さんについても、積極的に受け入れてまいります。
さらに、熊本県および地域の医療機関と連携し、医療DXを活用して地域の拠点病院をつなぐ広域リアルタイム遠隔連携診療体制の構築を進めます。専門医による診療支援や患者情報の迅速な共有を通じて、被災地域の医療を切れ目なく支えてまいります。
被災地域の皆様が一日も早く安心した生活を取り戻されるよう、熊本県および関係機関と一体となり、本院の医療資源と専門性を最大限に活かし、地域医療を支えるため全力で取り組んでまいります。
令和8年7月28日16時27分、令和8年熊本地震が発生しました。
発災後、ただちに外来患者様及び入院患者様の安全を確認しましたが人的被害はございませんでした。物的被害については物の転落や散乱、建物内装の破損や倒木など、多くの被害が発生しました。






本院は「緊急災害対策マニュアル」に沿って病院幹部が緊急で参集し、発災直後の7月28日17時10分に災害対策本部を立ち上げました。
災害対策本部では、まず患者様・職員の安全を確認・確保したうえで、院内ライフラインの確認など、医療基盤の維持に努めました。一部の水道が使えなくなるなどの被害はあったものの、すぐに復旧し、ライフラインは発災直後に確保することができました。



ライフラインの確保が確認できたことから、7月28日夜より本院は災害医療体制に移行しました。
多数傷病者の来院に備えてトリアージエリアを設置するなど、被災地からの救急搬送を24時間受け入れ可能な体制に移行しました。


本院は災害拠点病院として、また、県内唯一の特定機能病院として、熊本県災害対策本部からの指示に基づき、 診療や手術ができなくなった被災医療機関からの患者様の受け入れを、 7月28日夜より開始しました。
7月28日夜から29日朝にかけて、20名以上にのぼる患者様の受け入れを行い、全診療科の医師が協力し治療を行いました。29日以降も受け入れを継続し、8月3日までの1週間で一般の救急入院を含め、150名以上の患者様の受け入れ・治療を行いました。
患者様を受け入れた後、必要な治療を検討し、本院での手術が必要な方には手術を行いました。また、軽傷の患者様については、県内の他の医療機関に受け入れてもらうよう調整や搬送のかじ取りを行うなど、災害医療拠点のハブとしての役割を担いました。


医療需要が集中した県南から本院へ、応援医師の派遣の要請もありました。
発災時に多数発生した大腿骨骨折の患者様の治療を行うため、整形外科医を派遣したほか、熱傷の患者様の治療を行うための皮膚科医など20名以上の医師を被災地の病院へ派遣しました。
今後は熱中症やエコノミークラス症候群など、災害関連疾患の治療を行うための派遣要請が増えてくると考えておりますが、引き続き、被災地域のニーズに応じた医師派遣を行ってまいります。
甚大な被害を受けた県南地域の拠点医療機関を支援するため、リアルタイム遠隔医療システムを被災地の拠点医療機関へ迅速に設置し、遠隔診療支援を開始しました。
同システムを通じて被災地の拠点医療機関からの重症救急患者の治療方針相談に応じるなど、本院からの遠隔診療支援を行っています。

発災後ただちに、熊本県災害医療コーディネーターである笠岡俊志教授と、本院DMAT隊1隊を熊本県庁の保険医療福祉調整本部に派遣し、熊本県における災害医療支援活動に協力しました。
全国からDMATやDPATが熊本県に派遣され、本院も患者様の移送等に多大なるご支援をいただきました。特に8月3日は熊本県内で観測史上初めて気温40度以上を記録(熊本市40.3度)する酷暑日のなか、DMAT・DPATの皆様には患者様の移送に尽力いただきました。この場をお借りして改めて御礼を申し上げます。



職員一丸となって地震への対応を行ってまいりましたが、職員自身も被災者であり、支援を必要としている状況にありました。
本院は、公共交通機関の運休等で帰宅困難になった職員のための仮眠室の設置や、災害備蓄食料の配布、保育園等の休園でお子さんを預けることができなくなった職員向けに臨時託児室を用意するなど、職員への支援も実施しました。


以上のとおり、本院は災害拠点病院・特定機能病院として、発災直後から熊本県および被災地域の医療機関と緊密に連携し、支援を行ってまいりました。
今後は熱中症やエコノミークラス症候群など、災害関連疾患が増えてくると考えられます。本院としては継続して必要な医療の提供を行ってまいりますので、引き続き皆さまから本院へのご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。